怒りという感情は、「何かが上手く行っていない」ということを
自分自身に知らせるサインと考えることが出来ます。
期待と現実との間に不愉快なズレがある状況で生じる感情
と捉えることもでき、
怒りを感じた瞬間、「不快」であると共に
その状況に対して、「困っている」とも言えるでしょう。
怒りへの対処法は、
「不快」が暴発してしまわないように
自分を一旦なだめることは確かに大切ではありますが、
そのまま飲み込んでなかったもののようにすることではなく、
自分がいま何にどう困って怒りを感じているのかを
整理しなおすことからはじまります。
そうしてときに現実に働きかけ、
うまく行っていないことをうまく行くように動いたり、
またときには「こうなるはずなのに」とか「こうあるべきなのに」という
自分側の期待を変えたりして、
現実と期待の間のズレに対処していきます。
怒りは暴発しないように一旦なだめる必要はあるものの、
自分がいま何にどう困っているかを知るためのサインとして
丁寧に観察し、活用することができます。
またそう考えてみることで、
怒りというものが生じても、
その怒っている自分の気持ちを
慌てずゆっくり観察しやすくなるでしょう。
(心理士 清見)