恋愛中のカップルや夫婦が、
それぞれの相手に対して「私のことをいちばんわかって欲しい」
と願うのは自然の欲求だと思います。
人はこどもの頃は親からの愛情や承認を求めていますし、
大人になってからはその替わりのより良い対象を求めていきます。
愛情や承認を感じさせるのが「私をわかってくれた感覚」なのでしょう。
しかしここにひとつの問題があります。
「私をわかって欲しい」の前に
「自分が私をどれだけわかっているのか」と、
問いを投げかける課題にどれだけ取り組んでいるかという問題です。
実は自分のこころの姿を、やすやすと理解するのは難しく
長い時間がかかります。
もしかすると、まずは自分のこころの友に私がなる事が
一番目に大切かもしれません。
その次に相手へ「私のことをわかって欲しい」と願うならば、
相手に無理難題を押し付けずに済むのではないでしょうか?
一方で、そんな難しいことを言わずに、
私をまるごとわかって欲しい・・・という声が聞こえてきそうです。
もちろん、その気持ちを持つことはわかります。
臨床心理士 調(しらべ)